昭和の文房具屋さんと子供の花火遊び
以前投稿した”昭和の頃にあった松戸の駄菓子屋を探そう!“において、”昭和の文房具屋は子供のコンビニエンスストアだった”と書きました。実際に我々にとっての文房具屋さんは、子供のコンビニで何でも売っていましたが、その中で良く遊んだのは花火系の遊びだったと思います。2B、かんしゃく玉、爆竹、巻玉鉄砲、花火などでありましょう。
そんな子供の花火について思い出を語りたいと思います。
かんしゃく玉
かんしゃく玉は言わずと知れた投げたり、踏まれたりする事で破裂して大きな音を立てる子供の遊びだ。私は子供の頃、道路にばらまいて自動車に踏ませて大きな音をたてるのを喜んだものだ。今でも売っているのかと思い、アマゾンで調べてみたら、売り切れ中だった。会津の山内屋商店という昭和レトロな品物から色々な物を売っているまさに”よろず屋”さんの様なお店があるが、そこでも売り切れだった。
やってはいけない事
人が怪我する事に繋がることはしていけない。これは昭和の子供であれば誰でも認識している共通事項だったと思うが、実はイギリスに住む48歳の女性がキャンディだと思って、かんしゃく玉を口の中に放り込んだ人がいたらしい。どうなったかは、いわずもながだが、こういう行為は危ないので絶対やってはいけない。
火薬類取締法施行規則では
法的には、火薬類取締法施行規則(火工品の指定)とあって、第一条の五、一 がん具として用いられる煙火、ヘ 爆発音を出すことを主とするものに下記のような説明がある。クラッカーボールとはつまりかんしゃく玉の事
(2) クラッカーボールであつて、直径一センチメートル以下、重量一グラム以下のもののうち、爆薬(爆発音を出すためのものに限る。)〇・〇八グラム以下のもの
とある。
金魚花火
金魚花火とは水中タイプと水上タイプがある。水中タイプは柄の途中に金魚の絵が書いてあって、先端に火をつけてその先端を水につけても火が消えない花火。水上タイプは、柄の先に火をつけ水面に置くと金魚が泳いでいるように見える。上のyoutube映像は水上金魚花火のタイプで、長崎の立岩商店さんが作ったものです。立岩商店さんのサイトでは色々な花火を売っているので、是非訪れてくださいね!
勢田川水中金魚花火
実は伊勢志摩の河崎天王祭で、勢田川水中金魚花火というのがあるそうだ。これはたくさんの金魚花火を勢田川に放流してあたかも金魚が泳いでいく様子を見物するのだそうです。一度見てみたいですね。
火薬類取締法施行規則では
水上金魚花火は法的には、火薬類取締法施行規則(火工品の指定)とあって、第一条の五、一 がん具として用いられる煙火、ハ 走行することを主とするもの(1) 金魚その他の水上を走行する筒物であつて、火薬二グラム以下のものに属するようだ。水中金魚花火はどれに当たるのか、わからない。
2B
小学生の頃「2B」という危険な花火があった。長さは手の指、太さは5mm径前後の爆竹の様な物。東京オリンピックの年の前後だったと思う。何処の駄菓子屋でも売っていて、勿論松戸市立北部小学校前の吉岡文具店にも売っていた。「2B」の先端には擦るだけで発火する火薬が付いていて(つまり、マッチが無くても火を付けられる)、橋の欄干などに擦ると途端に煙が出てきて後に爆発する。
北部小では2B禁止、全国的にも禁止
煙が出始めて一定時間で爆発するので黒縁メガネ君など友達と`我慢比べ`をしてギリギリまで手に掴み爆発する寸前に投げる遊びをした。私はどうにも恐ろしくてすぐ離してしまった。子供は悪いことを次から次へと考えるもので、カエルに◯〇〇させて◯◯・・・とか、アリの巣に〇〇で◯◯とか・・・罰が当たりそうなので、これ以上はやめます。
「2B」は勢いがあれば水の中でも爆発する。子供というものはズボンのポケットに雑然と他の玩具(例えばロウセキ)とともに「2B」を平気で忍ばせる。ある時ポケット内のロウセキと接触し、ポケット内爆発をした例もあったと聞く。そんな事故があった為か、当然ながら「2B」は危険視され、ある日、北部小学校で禁止になった。確か、朝礼で「2Bは禁止」と説明があったと思う。
北部小学校の朝礼の後なのか前なのかわからないが「2B」は全国的に禁止になったらしく、吉岡文具店にも無くなり我々の目の前から消えてしまった。
2Bの代替品クラッカー登場
「2B」の代わりに登場したのが「クラッカー」だった。「クラッカー」と言ってもパーティーの時にパンパン!とならす「クラッカー」ではなくて「2B」と形状も機能もほぼ同様の花火玩具だった。ただ大きく異なるのはマッチで火を付ける点だったと思う。「2B」の欠点だったポケットの中でも簡単に発火する危険な特徴を改善した商品だと思う。
ただ、いちいちマッチで着火しなければ使えない「クラッカー」は面倒で、擦れば簡単に火のつく「2B」の手軽さからは遠い存在で、あまり流行らずに終わったと思う。あなたの地域ではいかがでしたか?
平玉/巻玉鉄砲
スパイごっこに欠かせないのが鉄砲で、子供の頃遊んだのは銀玉鉄砲や平玉鉄砲、巻玉鉄砲かな?この銀玉鉄砲や平玉鉄砲は銀玉鉄砲と違って、玉は出ないが本格的な音がする。音と共に火薬の燃える音もなんとも言えない。
火薬類取締法施行規則では
法的には、火薬類取締法施行規則(火工品の指定)とあって、第一条の五、一 がん具として用いられる煙火、ヘ 爆発音を出すことを主とするもの、(4) 平玉であつて、その一粒が直径四・五ミリメートル以下、高さ一ミリメートル以下のもののうち、爆薬(爆発音を出すためのものに限る。)〇・〇一グラム以下のもの及び巻玉であつて、その一粒が直径三・五ミリメートル以下、高さ〇・七ミリメートル以下のもののうち、爆薬(爆発音を出すためのものに限る。)〇・〇〇四グラム以下のもの
ヘビ玉
ウィキペディアによれば、蛇玉とは、玩具花火の一種で、着火すると蛇のような燃えカスが伸び出ることを特徴とする花火となっている。もう少し分かる資料が無いかな?と探してみると”地味~な花火『蛇玉』の、意外な歴史”というブログを見つけた。
この方の記述を読んでいくと、『火薬と爆薬の化学』(Tenney. L. Davis著、姉川慎一、細谷文夫訳 東海大学出版会(2006))には蛇玉は当初「ファラオの蛇(Pharaoh’s Serpent)」と呼ばれ、1821年に科学者ウェラーが報告した、チオシアン酸水銀が加熱されると何倍かの体積となるという特性を利用したがん具煙火が蛇玉の原点・・・なんだそうだ。
ただ、水銀を使うことで問題が生じ、現在は石炭ピッチを原料として作られているらしい。色々と勉強になるね。
火薬類取締法施行規則では
法的には、火薬類取締法施行規則(火工品の指定)とあって、第一条の五、一 がん具として用いられる煙火、 チ その他 へび玉であつて、火薬五グラム以下のもの
に分類されるらしい。
爆竹
爆竹は子供の頃はそれほど頻繁には使わなかった。吉岡文具店にそもそもあったのかなあ・・・?あまり覚えていない。ただ、10本つなぎ?だったのをバラして、一本ずつ使った記憶はある。それでも数回程度だったと思う。その後、私が就職して台湾に常駐していた頃、春節のお祝いとして、又、担当建築物が上棟式の日を迎えた日、たくさんの爆竹を点火して、えらく音が響いて耳が痛くなったのを覚えている。中華系の国では音を立てる事に対して、日本ほどうるさく言う人がいないらしい。
そういえば、日本のお葬式は厳かで静かだが、台湾の葬式はもっと賑やかだった印象がある。車の荷台に楽隊を乗せてドンシャラ・ドンシャラやっていたので何だと思ったら、葬式の車なんだと言われておどろいたっけ・・・シンガポールでは爆竹はならさなかったけれど、春節のお祝いという事で、獅子舞が耳をつんざくような音でドンシャラ・ドンシャラ音を立てながら病院の中に入っていくのをみて、ああ、国が違うと習慣も違うと思ったものです。
火薬類取締法施行規則では
法的には、火薬類取締法施行規則(火工品の指定)とあって、第一条の五、一 がん具として用いられる煙火、ヘ 爆発音を出すことを主とするもの (5) 爆竹(点火によつて爆発音を出す筒物であつて筒の外径が四ミリメートル以下のものを連結したもののうち、その本数が二十本以下のものに限る。)であつて、その一本が火薬一グラム以下、爆薬(爆発音を出すためのものに限る。)〇・〇五グラム以下のものに分類されるらしい
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