花火のお話
以前、”子供の頃の遊び:2B、かんしゃく玉など・・・”という投稿をしました。これは下からリンクされています。
実は数年前、娘の為に蛇花火を買いました。帰ってきてから妻に話したら、これを遊ぶ場所がないというのです。この界隈ではどこにも花火が出来る場所が無いのだと・・・
「え?」って感じです。世の中変わるもんですね・・・
15年くらい前に、子供の頃の花火の思い出を書いた事がありました。2008年に投稿した記事です。久しぶりに復刻させてみます。
復刻版:花火のお話-1
つれづれなるままに 2008年投稿
昨晩ダイエー松戸駅西口店に立ち寄った。退社時間に立ち寄れるので夜の営業は便利だが、客も少ないし無駄な感じがしないでもない。それはともかく買い物も終わり一階の売り場を一回りしたら、セット物の花火があった。大きな袋に入っているが板物セット(つまり袋の厚みが5ミリも無い)で、大人が楽しめるような大物花火は殆どなくて、1,000円以下の商品。
「PL法の影響かな?こんな花火じゃ、わたしゃ~物足りないね!何と言っても打ち上げ花火、地面において二メートルくらいの高さに吹き出すドラゴン、連発花火やロケットも欲しい」とほざいてしまう私だった。パラシュートなんてのもあったっけ。こういうのがあるからこそ線香花火、ネズミ花火、ヘビ花火なんてのも生きてくる……と考えつつ、ハッとなった。
考えてみれば打ち上げ花火を上げられる場所は近所には無い。北部小か江戸川までいかないと難しい。否、北部小の校庭は許してもらえないかもしれない。
昭和39年の思い出
そうそう、思い出したことがある。まだ母がかき氷屋さんをしていた小学2年生の頃、大きな打ち上げ花火が一本家にあった。多分お店のお客さんからいただいた花火の残りだったかもしれない。その太くて大きい花火が気になって仕方がない。是非打ち上げてみたいと思った。父に頼もうと思っても帰宅時間が遅すぎる(当時は高度成長期の頃だったから仕方ない)。
母はかき氷屋の営業で手が離せない。でも「大人と一緒だったらあげても良いよ」という。そこでかき氷を食べにきたお客さんに一緒にあげてもらう事になった。太さが直径5センチ弱、長さが40センチくらいある円筒状の大物打ち上げ花火だった。まさか、握ってあげるわけにはいかない。花火をセットする台も無い。
店前のすのこから打ち上げ花火
店前を流れていた排水溝の上部に蓋替わりに簀の子(すのこ)が嵌めてあった。そこで、そのお客さんはその簀の子の隙間に花火を挟み込んだ。近くには木造の住宅もあるので米穀倉庫の方に若干傾けた。胸が高鳴る。怖くて私は点火出来ない。お客さんがそっと点火してくれた。
煙が出てきた。同時に連続するシュ~という音が聞こえ実にまどろっこしい。次に始まる派手な展開を今か今かと心待ちにしていた。次の瞬間「ドーン!」という大きな音と地響きが鳴り響き、見上げると暗い夜空に大輪の花(花火)を咲かせていた。あっと言う間の出来事だった。
見応えがあるなんてもんじゃない。でも今思えば、竹ヶ花の住宅街で上げる花火じゃないわなあ……
「コラー!何やっているだぁ」
お客さんは店内に戻り、私はしばらく余韻に浸っていた。すると、浴衣を着たおばあちゃんが仁王立ちで私の目の前に立ちふさがった。隣に住む紺屋(こうや)さんのおばあちゃんだ。よく見ると浴衣がヨレヨレだった。多分寝ていたのかもしれない。いかにも慌てて出てきた風貌だった。
「コラー!何やっているだぁ」
街路灯のバックライトを浴びた浴衣姿のおばあちゃんは鬼婆の形相そのものだった。烈火のごとく怒られた。何を怒っていたのかさっぱり覚えていない。多分、こんな狭い住宅街で大きな花火をあげては危ないという事だったと思う。でも叱られた一番の原因は、花火のあまりの轟音で安眠中のおばあちゃんが`びっくらこいてぇ~目覚ましたぁ~`事ではなかったか?
今となってはそう思う。
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