つれづれなお話

台湾で金は蓄財物、日本で金は単なる実用品

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sara gravesによるPixabayからの画像
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日本のデパートの価値

昭和の頃は、バラ模様の包装紙で包まれたご贈答品を受け取ると「ああ、高島屋で買ったんだ。高級品だ」というありがたいものをいただいた気持ちになった。画家猪熊弦一郎により制作され”華ひらく”デザインの赤い模様の包装紙、即ち”三越”、独特のタータンチェックの紙袋を持っていると、即ち”伊勢丹”・・・なんとなくイメージカラーがあったものだ。

言ってみれば、デパートとは付加価値を売る商売であると思います。その商売が長い間続いてきた。ところが、ある頃からデパート(百貨店)の影が薄くなってきた・・・とは思いませんか?ありがたみを感じなくなったとでも申しましょうか・・・以前は高級品は百貨店にしかなかった。でも、ネットショッピングが普及した事から、一般消費者は簡単に商品の適価が分かるようになってしまった。

この為、同じ宝飾品やバッグを買うのに、百貨店に行く必要性が有るのかどうなのか、疑問を感じるようになってしまった・・・という事がありはしまいか?

台湾における金製品に対する見方

そうそう、宝飾品と言えば思い出した事があります。バブル崩壊前に私は台湾に常駐していました。台湾(中国でもそうだと思いますが)では、日本と宝飾品に対する考え方が全く異なると言えます。過去の中国の政変の影響を大きく受けたのか、台湾では宝飾品を”蓄財物”として見ている印象があります。

つまり、台湾では、いざそれらの宝飾品を売るときにいくらの財産になるのか?という視点で見ているような所があります。また市場でもそういう売り方をしています。

日本における金製品に対する見方

一方日本では例えば金のネックレスを買うにしても、その宝飾品を売るときいくらになるのか?という視点に立っている人がどれだけいるでしょうか?多分殆どいません。実際日本で金のネックレスと作る/売る際は蓄財物ではなく、実用品としての一面を大事にします。その一番の根拠は金製品の純度に現れます。

台湾で金のネックレスを売るときは純金(24金)である事が前提です。ところが日本で売られている金のネックレスは先ず間違いなく18金以下です。その理由は日本では金のネックレスを実用品として捉えているからです。何故なら、純金だとネックレスとしては弱すぎてしまう為です。そのためより硬い18金に加工します。

現在の金の価値

純金が100%だとすれば、18金は75%しか金が含まれていないことになります。
2021年9月現在、日本では金1gの価格は7000円弱で取引されますが、バブル崩壊の頃は金1gの価格は2000円弱で取引されていました。これは単純に金が高くなったというよりは貨幣が弱くなったのかも?とも感じています。

参考:田中貴金属工業様の金価格推移

 

ある銀座のデパートでのお話です

これは台湾に行き来していた頃(1990年頃)のお話です。先述しましたが1990年当時の金相場はほぼ2000円を切る価格でした。ある日、銀座の「M」デパートに行く用事があり、帰り際、宝飾品売り場を見かけたので、日本ではどのくらいの価格なんだろうか?と思いながら金のネックレスを見ていました。

私があんまりじっくりと眺めていたので、買ってくれると勘違いしたのかもしれません。盛んに進めてきます。私が見ていた金のネックレスの価格は確か6万円だった。店員が離れないので、一応私は聞き始めました。

銀座の「M」デパート、宝飾品売り場店員との会話

  • 私「これは?」
  • 店員「18金ですね」
  • 私「純金ではないのですか?」
  • 店員「純金では柔らかすぎるので実用的ではないのです。ネックレスとしては18金です」
  • 私「何グラム?」
  • 店員「およそ6グラムです」
  • 私「6グラムx金相場2000円/グラムで、純金だとして12000円。18金という事は金の価値としては9000円しかありません。そうですね?」
  • 店員「おっしゃるとおりです」
  • 私「それがどうして6万円なんですか?およそ金の価値の6倍になってしまいますが」
  • 店員「技術料が含まれるからなんです」
  • 私「なるほど!では金の価値は9000円、技術料が51,000円ですか?それだと、金の価値の6倍もする技術料が上乗せされている事になる。バランスが悪すぎませんか?」
  • 店員「・・・」(言葉につまっていた)
  • 私「逆に金の価値が51,000円で技術料が9,000円であれば、まだまだ高いとは思うものの、百貨店なので納得出来る。あなたはどう思いますか?」
  • 店員「・・・」(店員も商品に疑問を持ち始めた表情になった)

日本では金の商品は金の価値より付加価値の方が高い。

結局買わなかったが、金の値段よりも技術料が高いというのは実に技術立国の日本らしい。私が台湾にいた当時、金は金相場*重量+技術料という明瞭会計な方法で売られていた。金のネックレスも18金ではなく純金で売られていた。従って実用的なネックレスではなく貯蓄の意味合いが強い商品だと考えられていたのだろう。

台湾では、仮に金自体の値段が1万5千円だとすると技術料はせいぜい5千円以下で金自体の値段よりは低かったと思う。合計二万円程度で購入できる。台湾で技術料五千円が日本では五万円。いくらブランドの名前がついたからと言って高すぎる買い物だとは思いませんか?しかも18金です。

ただし、1990年頃台湾での金製品の加工は少々雑に見えた・・・と感じたのは確かです。

日本では金の宝飾品は我々が買う時には高く、我々が売る時は二束三文

日本では金の(身につける)宝飾品は我々が買う時は高く、我々が売る時は二束三文になってしまうのが現実です。18金ネックレスと言うのは単なる普段着用アクセサリーに近いはずなので、本当はもっと安くても良いはずなんですが……こういった商品を日本のデパートで買う時は「この商品を現在の相場で私が売る時はいくらになるのか?」という事を意識して買いましょう。

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