つれづれなお話

魚野川の蛍と川

ホタルつれづれなお話
KIWI CHENによるPixabayからの画像
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新潟県の石打は素敵な場所だった

大学三年生の夏休み期間中、建築の課外授業として石打セミナーが催され、新潟県の石打まで行った。石打と言えばスキー場として有名、ところが夏なのでスキーは楽しめない。一週間前後のツアー。学生二三十人で民宿のような会場に一週間ほど泊まり込み、入れ替わり立ち替わり先生方の授業を聞き、それを自分の糧とする。

その民宿が石打駅の近くであったかどうかは覚えていない。ただその民宿は田園風景が広がる場所で、近くに魚野川が流れていた。とても奇麗な川で感激した。堤防らしい堤防はなく、角の取れた大きな丸石がゴロゴロしていて、我が松戸市の新坂川や江戸川とは全く違った景観を興味深く眺めていたのを覚えている。

夜、天から舞い降りてきた”天の川”その正体は!?

夜、他の学生が窓の外を見て騒いでいた。「何だ何だ」と窓際に行くと、あらビックリ!魚野川の流れている方向には、まるで天から舞い降りてきた天の川のように、光の集合体が地面すれすれに漂っている。それはなんとホタルの大群だった。

ホタル

Francisco CoradoによるPixabayからの画像

半端な数じゃない。何万匹なのか何十万匹なのか分からない。とても数えきれない。それぞれが独立した星の様にキラキラ輝き揺らめきながら、しかし全体としては一定の方向に進んでいる。最高高さがほぼ10メートルに達するように見えたホタルの大群。幻想的でアメージングストーリーを見ているような素敵な光景。私は夢を見ているのだと思った。この魚野川も付近の水田も水質が良いに違いない。

魚野川の水の流れは!

翌々日の休憩時間、同級生とこの魚野川に入った。流れが速く、岩には苔が生え滑りやすい為、油断していると流れに足を取られ、かなり強い勢いで流されてしまう。一度転ぶとさあ大変、岩の上をドン、ドン、ド~ン!とぶつかりながら流されてしまいそうだ。

お茶の名産地、川根町家山出身の友人M君がこの石打セミナーに参加していた。M君は「一緒に魚を捕ろう」と言う。アイデアは良いけど魚を捕る道具がない。四つ手網、タモ網、釣り竿もなければ私は何も取れない。松戸から持ってくれば良かったかな~

M君は魚野川で始めたことは素手で

  • M君「まあ、見ていてくれ」

道具も何も無いM君は短パン姿でシャツの袖をたくしあげ、川岸岩陰の草が生えている所にそーっと素手で差し込み暫くじっとしていた。数分はじっとしていたと思う。次の瞬間、

  • M君「さあ、捕まえたぞ~!」

捕まえた魚はウグイ(別名:ハヤ)、渓流の素早い魚でとても素手でつかめるような魚とは思えない。間近に見たウグイの美しさに驚いた。魚捕りの技術も尊敬に値する。

  • 私「どうやって捕まえたの?すごい技術だね」
  • M君「いや、これは技術じゃない。岩陰に掌を拡げるらぁ~?そうすると魚が通過する瞬間にギュッと掴む。慣れればそんなに難しい事じゃないら」

と静岡弁交じりで答えた。

M君の実家、川根町家山には!

私もこの技を覚えたくて、やってみた。でも私は何十分試しても捕まえる事が出来なかった。後にM君の実家、川根町家山に遊びに行った。ここは、大井川鉄道で、大井川沿いに、登ってきた場所だ。SLが走っている事でも有名で、たくさんの撮り鉄が集まるメッカでもある。

大井川の流れを見て、感じた。「ああ、ここでM君はあの魚つかみの技を練習したのだなあ~」と妙に納得したのだった。

最後に

この投稿をした頃(2008年頃)茨城県水戸市にお住まいのMietonさんより、魚野川自体は流れが早いので、ホタルの大群はもしかすると川の先の水田や用水路だったのではなかろうか?との事でした。確かにそうかもしれません。ゲンジボタルの好物カワニナ(巻貝)もヘイケボタルの好物のモノアラガイ他巻き貝は魚野川では流れが速すぎて、住めないかもしれません。

多分あの大群は付近の田んぼの上を彷徨っていたのかもしれません。ありがとうございます。

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