自然共生圏の中で
現在の生態系への考え方は随分と変わってきた。これは日本だけではなく、世界全体で変わりつつある。環境省ではOECM登録の初期段階として自然共生サイトの登録認可に関わっている。昔は考えられなかったが、田圃の生き物も生態系のバランスの一構成メンバーであり、農業の効率だけを考えてはいけない、そこに生息する生物の住処を考える事も大切な世の中になってきている。
それに伴い利水、治水も同様に自然共生とどうなのかという事を考え議論が必要な世の中になってきた。実は私自身、子供の頃に遊んだ空き地、湧水池などが無くなっていく(言わば不可逆的な)現実を非常に悲しんでいた。時代の流れで経済効率重視の考え方が蔓延すると、私の小さな力ではどうにもならなかった。それが今、変わろうとしている。
こんな力で世の中が変わろうとしている事に正直驚いている。
犬の気持ち
人間と犬は太古の頃から共生してきた。私が子供の頃は、家で出た残飯は家畜である犬や猫の食べ物となった。現在は塩分が多すぎるので、犬猫の寿命を縮める事になるので、専用の食事が良いとされているが、当時は分からなかった。そういった欠点はあるものの、ある意味曲がりなりにも共生していたと言える。
私が子供の頃は空き地、野山が多くて、野犬が住む場所があった。ただ、松戸の人口が急激に増え、経済的効率重視の世の中になって、経済上無駄なスペース(本当は大切なスペースなのだが)は次から次へと無くなり、お金に換算出来るスペースにとって代わった。同時に人口も増え、野犬が住めない場所になっていった。
そして、昭和43年発布の千葉県犬取締条例に至った。この条例は改正が繰り返され、現在は「千葉市動物の愛護及び管理に関する条例」と呼ばれる。
この昭和43年の頃から(いや、もう少し前だったような気がするがなんとも言えない)保健所の野犬狩りが始まった。太古の昔から人間と一緒に生活をしてきた犬にとってどういう気持ちだったのか、計り知れない。人間にとっては危険を避ける為でも、歩き回る自由を奪われた犬にとって、この法律はどうなのだろうか?と思う事がある。
野犬関連のニュース
ここ数年の犬に噛まれたというニュースをググるとこんな記事がいくつか見つかった。
市原で愛犬のチワワがイノシシ狩りをしていた猟友会の猟犬に噛まれて死亡というニュースは非常に気の毒だ。2006(平成十八)年十一月十六日付読売新聞によれば岡山県の六歳の女児が猟犬に噛まれて重体との事。助けようとした十二歳の女児も噛みつかれ軽傷を負ったらしい。身につまされる。全く気の毒で可哀相なニュースだと思う。
それにしても犬に噛まれることでニュースになってしまうとは……
狂犬病と東南アジア
日本で狂犬病に感染する話はあまり聞かないが、東南アジアに渡航する際には気を付けなければいけない。フィリピンも野犬が多かった。少し離れているがスリランカも野犬が多かった。渡航前に医者から「東南アジアは狂犬病に気を付けてください」と言われた。そういえばベトナムでこんなニュースがあった。
これはベトナムで野犬に噛まれた男性が、その後処置もしなかった為、その後数ヶ月で狂犬病に感染している事が分かり、医者からも見放されたというニュースがあった。恐ろしい事だ。海外で犬に噛まれたら、軽症だったとしても決してそのままにせず、必ず医者にいった方が良い。そして狂犬病対応のワクチンを打つ事だ。
昭和の頃の犬について
昭和の頃先生曰く「犬が人間を噛んでもニュースにならないけれど・・・」
私が小学生の頃、先生からニュースの在り方についての説明を受けた。一例として、
先生「犬が人間を噛んでもニュースにならないけれど、人間が犬を噛むとニュースになるんだよ」
これを聞いた私たちは「そりゃそうだよ!」と言って笑った。そりゃそうだよと思った背景には当時放し飼いの犬の存在があった。それを解決する為に出来た条例があった。それが先述した昭和43年発布の千葉県犬取締条例でした。この法律以降は、繋がれていない犬が自由に歩き回ることが許されなくなった。現在は先述した「千葉市動物の愛護及び管理に関する条例」に変わっている。
ウロウロしている野犬
当時は、空き地や土手、山林などに行くとウロウロしている犬に良く出遭った。犬に追いかけられて、涙ながらに逃げ回るというのは日常茶飯事だった。以前、他の投稿で同級生のAさんが江戸川の中州でノラ犬(野犬)に追いかけられた話を書いたが、犬に追いかけられる事は特別珍しい事ではなかったのだ。
放し飼いの犬は恐怖の対象で、外で遊ぶという事は犬に噛み付かれる危険も孕んでいた。私が実際に噛まれた経験はなかったけれど、噛まれた子供達は多かったと思う。従って、あまりに日常的なありそうな事だったので「昨日、松戸市竹ヶ花在住の○○ちゃんが犬に噛まれました」というようなニュースが流れるとは思えなかったのだ。
番犬も少なくなった
その為「犬が人間を噛んでもニュースにならないけれど、人間が犬を噛むとニュースになるんだよ」と言うのは、昭和43年までは、良く理解できる話だった。また、犬小屋で番犬を飼っている家も多く、通りかかるとよく吠えられたものだ。1970年代、京葉ガスのビルから市役所に上がる付近にコリー犬を飼っている家(Gさん宅)があり、よく吠えられた。
あの当時からすでに五十数年経った。松戸市内には放し飼いの犬を見かける事は殆どなくなった。同時に番犬を庭で飼っている家庭も少なくなった。家の前を通りかかるだけで「ワンワン」と吠えられる機会は数えるほどになった。
そういえば、2009年頃、ホテルセンダンヤの裏の道を歩くと番犬が居る家があって、よく吠えられた)。あのホテルセンダンヤも廃業して建物も無くなってしまった。
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