野犬
昭和30年代の松戸は、野犬が多くて困った。いや、野犬だと言い切るのは難しくて、放し飼いの犬が多かったので、野犬と区別がつかなかったのが怖かった。
松戸の野犬
写真は1960年代の広報まつどの記事
「にわとりを襲う野犬:昼は河原にひそみ、夕暮ともなると群れをなして襲う野犬のために、古ヶ崎あたりの農家では、これまで300羽に及ぶ鶏の被害をうけているそうです。常磐平では畑を荒し、上本郷では子供を襲うという野犬も出没しております。ただいま保健所にお願いして野犬狩りを強化し、当分実施して行きますので、皆さまの愛犬が巻き添えをうけないように、じゅうぶん管理をしてください」
こんな風に書かれるくらい、野犬が多かった訳です。2022年現在、古ヶ崎や常盤平に行っても先ず野犬らしきに会うことはまずありませんね。
放し飼いだったあの頃
当時は犬が放し飼いだった家も多く野犬と区別が付きませんでした。自由奔放に歩く犬はとても多かった。子供の私にとっては犬は恐怖の対象でした。犬と出遭えば先ず噛みつかれる?と構えてしまいました。犬は頭が良い。相手が子供だとなめてかかる事もあったと思います。同時に狂犬病になると気が狂ってヨダレを垂らしながら死ぬと教えられた事も犬に対する恐怖をさらに助長しました。
小学校の同級生Aさんは子供の頃、江戸川の中州(伝兵衛新田付近にあった)の草むらに入っていったら野犬の群れに出遭い囲まれてしまったそうです。考えただけでも恐ろしいと思いますが、ただ、おびえると犬が襲いかかるので棒を振り回しながら強気の姿勢を見せつつ逃げてきたという話を聞いたことがあります。
犬らしくない犬達
田畑と斜面林が多かった小根本の谷津田(現在の税務署から奥に入った公園付近)で私も野犬に追いかけられた事があります。追いつかれても噛みつかれたりはしませんでしたがやはり怖かった。単なる放し飼いの犬だったのかもしれません。昔よく見かけた野生を感じる犬や良く吠える言ってみれば“犬らしい犬”は実に少なくなった。
家の中で飼う事を前提にした小さい犬か血統書付きの外国種。基本的に安全で可愛い犬ばかり・・・それが良いことなのか憂慮すべき事なのか分かりませんが、不自然な感じは拭えません。
犬狩りの人たち
保健所の職員であったのか、動物愛護センターの人だったのかよく分かりませんが、捕獲棒(長い柄の先に針金の輪の付いた道具)で犬狩りをしている姿をよく見かけました。捕まえられた犬の姿を見ると強烈で、閉まって苦しいのかえらい勢いで鳴いていましたが、強引に連れて行かれたのを見た事がありましたっけ・・・
今はああいう形で犬狩りをするのは見かけなくなりましたね!
各地の野犬
山口県周南市の野犬
私が小さい頃の松戸もこんな感じでしたね。
スリランカの野犬
スリランカに行くと非常に野犬が多かった。ただ、総じていつも寝ていて、大人しそうな犬が多かったと思う。スリランカの多数派であるシンハリ人(仏教系)はたとえ、自分が貧しくても、自分より貧しい人が居たら施しをする人たちだった。腕に止まった蚊も殺さず、手で払う人たちなので、犬にしかりなのかもしれない。
海外の野犬には気をつけて
ただ、アジアにはいまだに狂犬病が蔓延していると聞くので、可愛いからと決して手を出さないようにしてくださいね!
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