中国や東南アジアの海鮮レストラン
広州に限らず中国の大きな海鮮レストランに入ると大きな生け簀、水槽、タルなどにスペースを割いて、さながらミニ魚市場に入った様な感覚になる。そこには見た事も無いような魚、カニ、エビ、貝類などが所狭しと並んでいる。見物しているだけでも面白い。先ずは、自分たちの座るテーブルを決め、再びこのミニ魚市場に戻ってくるわけだ。
そうして、自分たちの食べる新鮮な魚介類を選ぶ。
ミニ魚市場での注文方法
このミニ魚市場で物色していると従業員との間にこんな会話が始まる。
あの蟹が良いなあ・・・
ハイ御客様、ワタリガニですね。調理法はいかがしましょうか?蒸し蟹も良いですが、辛いチリ炒めなどがありますが・・・
そうだね、今日はチリ炒めにしようか!あのハタも良いねえ!
今日は良い斑魚が入ってますよ
おいおい、高いんじゃないか?
いえいえ、○○元ですよ
それだったらいいか、蒸してくれる?
かしこまりました
という感じで料理が一品一品決まっていく。そんな中でプラスティックのタルの中に黒くうごめいているものを見つけ「うわっ」と後ずさりする。あれはゲンゴロウ、否、タガメだわ!タルの中でうごめいている姿はゴキちゃんにしか見えない。あれは一度目に焼き付くと暫くは消えない。
タガメは棲息する場所が淡水なので、何となくゲンゴロウに近い物だとかなり長い間思っていたが、実は違っていた事を後で知った。
- タガメ:カメムシ目コオイムシ科タガメ亜科。
- ゲンゴロウ:コウチュウ目オサムシ亜科ゲンゴロウ科
松戸で散策をしているとアカスジキンカメムシを目にすることがあるが、タガメはあのカメムシの仲間で、ストローの様な口で対象物のエキスを吸い取る吸血鬼みたいな昆虫。つまり、田圃のカメムシがタガメという訳だ。
食べ物としてどうなのか?
今まで中国や台湾、香港などで色々なものを食べた。
- 烏骨鶏の黒い脚だけが満遍なくおかずとして乗っているお弁当(@台湾)
- 厨房から運ばれてくる時から臭かった臭豆腐(@台湾)
- 香港人秘書も含め食べに行ったヘビのスープ(@香港)
- 愛犬家の剣道さんと知らないで食べてしまったイヌ肉(@広州)
- 海みみずの冷菜(@厦門)
- 血蛤(@厦門)
血蛤というのは小さい赤貝が皿にたくさん出てくるのだが、身から出る赤い汁が気味悪い。
思い出せばまだまだ、あるかもしれないが、やはり、ゴキちゃんモドキはどうしても食べる気にならない。何を言われようと、一生食べなくたって良い。
暫くゴキちゃんモドキを忘れていた。先日、同僚の納豆火星人さんと中華料理の話になり、何故かタガメの話になった。納豆火星人さんは「ネットでは中々美味しいと評判らしいよ」と言うが、私はイヤだね。再びたくさんのゴキちゃんモドキが頭の中に蘇ってしまった。
ある幻影
ある日私は同僚数人と中国旅行を終え帰ってきた所だった。そのうちの一人が中国で買ってきたというお土産を何故か置いていってしまった。オイオイと思って見ると何故かそれはタガメだった。しかし、ただのタガメではなかった。たくさんのタガメがガンダムを組んでものすごく大きな、三十センチくらいのタガメ(ゴキちゃんモドキ)になっていたのだ。腰を抜かした。
思わずフタを閉めて本人の所に持っていこうと思ったけど、その本人が居ない。そのうち何故かガンダム・タガメが私に懐いてしまい、離れようとしない。愛着は湧くけど困ったなあ・・・と思っているうちに目が覚めた。
変な夢だった。
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