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 つれづれ話の部屋
海外生活はたまらない 広州編16-20

20 アテネオリンピックと四川料理


広州でもアテネオリンピックの放送が盛ん。レストランでもテレビでアテ
ネオリンピック放送をして、みんな大騒ぎ。中国でテレビを見るとやはり
中国選手に贔屓めな放送になるので何度も繰り返し中国選手の
活躍を見ることになる。

同時に外国選手も多く放送してくれる様で新鮮な気持ちで見られて
よい。板飛込みの郭晶晶選手、呉敏霞選手の活躍(すでに金をとっ
たもの?)を何度もテレビで放映したのですっかり覚えてしまった。

私の担当する広州プロジェクトは地下のコンクリート工事が順調に進んでいる。地階のコンクリ
ートの進行によって、役所への申請上の期限をクリアしたので四川料理レストランでお祝いと相
成った。オーナー事務所内のスタッフ全員参加で15〜16人ほど。個室予約で8人がけテーブ
ルが二つだった。

たくさんの料理が出てきた。四川料理は辛さが特徴!然し香港人マネージャーのアレンジによ
り辛い料理は二品、残りは辛くない物を注文していた。香港人マネージャー曰く「全部辛いと
面白くないでしょ?!」そりゃそうだな!

香港、台湾、中国にきて感心するのは年配の方は当然として、若い人でも料理の注文が大
変慣れていることだ。注文取りの従業員と二言三言話しながら「牛肉はこれでいいかな?こち
らはスープ仕立てでここでは人気メニューです。じゃそれ!青菜系は何?なるほど、それがいい
ね……」という感じでさっさと決めていってしまう。実に手際がよい。

注文した辛い料理ー1
たくさんの鷹の爪とラー油の入った中華鍋で揚げた牛の骨付き肉だ。一緒に揚げた山盛りの
鷹の爪が皿に一緒に出てくる。壮観である。ただ、どうみても鷹の爪の方が圧倒的に多い。骨
付き肉は少ないので宝物探しのように鷹の爪の中から探していく。辛いが驚くほどではない。
辛いのはもう一つの料理のほうだ。

注文した辛い料理ー2
磁器で出来た大きな寸胴型の鍋でサービスされる。中には赤黒くてどろどろしたスープとともに
魚と野菜春雨のようなものが入っている。辛いのはそのスープだ。口に入れると顔がゆがむ。

何が出汁なのかはよく分からないが、鍋一杯の花山椒の実と鷹の爪でぐつぐつ煮込んだ地獄
スープという感じである。花山椒が舌を痺れさせ、鷹の爪で辛さを強調する。私の胃が捻り鉢
巻きになりそうな、とんでもない料理なのだけれど、つい箸が進んでしまう。

辛い料理は味そのものよりも、痺れるような辛さに一種の麻薬的な魅力があり癖になってしまう
のである。食べているうちに味覚がすっかり失われ「辛ければなんでもいい」状態になってしまう。
恐ろしい魅力がある。

故色川武大氏の小説の中に浮浪者がコマ劇場の近くの立ち食いそば屋で空腹をしのぐ為に
七味を全て入れてしまうという下りがある。又、虎ノ門の会社近くの店に花山椒を使えばみん
な喜ぶとばかり、花山椒をたっぷり使った麻婆豆腐や刀削麺を出しているところがある。

豆腐ととろみばかりの普通の麻婆豆腐風なのだけれど花山椒がふんだんに使われ、香菜が乗
っている為、全く違った味に仕上がっているかのように錯覚してしまうからだ。昼間は混雑してい
てなかなか順番が回らないほどである。個人的に言えば自分の作る麻婆豆腐が好きだ。肉を
多めに、とろみは殆ど無い麻婆豆腐にする。勿論花山椒は忘れない。

19 中華料理の歓待、日本と中国-3


日本における中華料理店は本当に安い店か高級店かの二極化の傾向が強い。中国人訪問客を連れて行くのにまさか単なるラーメン屋と言うわけにもいかないだろうと考えてしまう(一食くらいは殆ど日本文化に近いラーメン食も喜ばれるかもしれないけれど)。しかしもっともらしい中華料理レストランで歓待をするにはある一定の大金が必要であることを覚悟しなければならない。ホテルの中華料理は勿論の事、都内によくある中華レストランでも宴会となると、中国で食べるような金額イメージでは無理だ。勿論自分のポケットマネーでは行けない。

従ってどちらにも属さない中間的な店がもっと欲しい。この中間を埋める層はかなり幅があるはずだが、思いついた時、思ついた場所に無い。出来れば丸テーブル席がいくつもあって、レストラン然としているが、格安の店が良い。逆に、中華ソバ屋がもう少し小綺麗になって、リーズナブルで、野菜料理をしっか出す店のイメージでもよい。

よく探せばそういう店はあるかな?自分の勉強不足だったりして……

18 中華料理の歓待、日本と中国-2


中国でお世話になった中国人一行が日本旅行に来たとする。中国で受けた歓待へのお礼と誠意の証として、彼らの滞在中、少なくとも一度は食事にお付き合いしたいと思うが、昼も夜もそして毎日食事に誘うという訳にはいかない。空港への送り迎えも、余程のVIPで無い限り、まず出来ないと言って良い。

我々が中国で受けた歓待を日本でそのまま返せないのは実に残念だ。気持ちはあるが、事情があってなかなか同じようにお返しが出来ない自分に苛立つ。同じような経験を持つ日本人であれば、多分このニュアンスを分かってくれるのではないか?

それにしても彼らはそういう我々をどう思っているのだろう。随分冷たいと思うのだろうか?それとも何にも感じないのか?あらためて、彼らにそんな事聞いても本音などお首にも出さないはずだ。そして「そんな事思っていない。あまり気にするな」と言われるのがオチだろう。それを文字通り捉えて良いとは思えない。

そういえば一度中国の施主が来日し弊社のスタッフが一日ついて回った。宿泊ホテルが新宿ヒルトン。ヒルトンの中華料理で接待したらしい。接待は限度額があるので、超える場合は稟議が必要になる。その稟議どころか上司への事前の確認も全く無しだったそうだ。清算してビックリ、料金がなんと合計4万5千円ほどになってしまった。後に社内で問題になった。関係のない我々の耳にも直ぐ伝わってきた。

さらに、困ったことにその施主は結局我々のお客さんにはならなかった。
(さんざん、図面を描きパースも作り何度も出張し、勿論接待も一度ではなかったにもかかわらず、設計契約どころか、すでに終えた仕事の実費も払おうとはしなかった)

17 中華料理の歓待、日本と中国-1


広州滞在中、朝食以外は招かれて食事に行く事が多かった。ありがたいと思う。毎日豊富な中華料理にありつけるのだから……我々日本人だけで中華料理屋に行っても中々思い通りに注文が出来ない。中華系の人々がするような、適切な、そしてバランスのとれた注文は難しいのだ。

マイタン(支払い)の時に彼らが払う額を見ると驚くほど安いことに気がつく。私が見ようとすると大抵みんな見せたがらない。どのくらい安いかというと、例えば虎ノ門に中華料理屋で「○龍」という店がある。「○龍」でレバニラ炒め定食一人分を食べる金額があれば、広州で4人が色々な料理を注文して、たらふく食べ、しかもおつりが来るという感じである。

たらふくといっても饅頭、焼きそば、チャーハンなどではないよ(例えば:バーベキューポーク、チキン塩漬け、野菜スープ二点、空心菜腐乳炒め、肉料理、ご飯)。そんなレベルだから気楽に誘えるのかもしれない。

勿論これは街にある一般的なレストランでの話しだ。広州にも高級料理屋はある。流石にそういうところでは「○龍」のレバニラ炒め定食なみの値段でという訳にはいかない。

16 広州での勤務


施主の事務所に三週間も居ると、人間関係を含めた事務所の内情が、いやがうえにも分かってしまう。近々に政府の要人も呼ぶセレモニーを控えていた事もあり、ただでも大きい声が一層大きくなる。セレモニーコンサルタントのK小姐は大きな声をあげ檄を飛ばしていた。普段は大人しそうに見えるまだ若いR小姐はそのK小姐のあげだまにされていたようだ。

最初は泣いていた程度だった。セレモニー一日前になると極度の緊張から修羅場と化した。R小姐がセレモニーコンサルタントのK小姐と相当やり合っていたかと思うとK小姐の個室から扉を力一杯バターンと閉めて大声で叫びながら出てきた。怒りの頂点を思いっきり表現をしていた。あまりに恐ろしくてR小姐の顔を正面から見ることが出来なかった。一般的に広東語は普通の会話でも言い争い喧嘩しているように感じる。見慣れると分かってくるが、この時ばかりは本気で怒っていると思った。この日だけは残業で私よりも皆の帰りが遅かった。