表の家

電車よもやま話31-33 常磐線千代田線のアレコレ 


33椅子取稚(イストリッチ)さん


2015年シンガポールから帰国以降、8時21分始発を待つ列でよく見かけるようになった女性だ。
少し、ダチョウ(オストリッチ)のイメージがある、少し背が高めでどこに居ても目立つ。
顔立ちから最初は中国出身の女性だと思っていたが、毎日朝日新聞を読んでいるし、大手町までは降車しないので、もしかすると霞が関で降りる公務員の人かもしれない。
何故か根本のローソンの横道からぬっとあらわれる事があるので、根本の住人なのだろうか?

イストリッチさんはどちらかというとナリフリカメゾウの女性版みたいな人で、松戸始発電車で座っていく方法を虎視眈々と狙っているタイプで、少々強引である。いざ電車に乗り込む時は脱兎のごとく、いやダチョウのごとく少々強引に乗り込んで椅子取りに励む。
7人座る長椅子は体格の良い人が座ると大体6人でいっぱいになってしまうが、女性が数人入ると7人で座れる。
ところがイストリッチさんが入った7人用長椅子は6人でいっぱいになってしまう事がある。
ある日、ほぼ中央近くに座るイストリッチさんの隣の席(7人席の最後の中央席)に座ろうとしたおじいちゃんがいた。
ところがイストリッチさんがそのおじいちゃんを入れる配慮を全くせず、結局おじいちゃんは諦めて別の場所に行ってしまったのを目撃したことがあった。
あの日のイストリッチさんの席を譲らず、正面の一点だけを見据え、平然としている表情は強い印象で、今でも忘れない。
基本的には並んで始発を待って乗るという形はルール通りなのだが、一度8時21分始発の列のいい場所に並べない姿を見た。この時は少々強引に”禁じ手の割り込み”を実行されてしまった。
これは8 続続続 あなたも出来る「電車、座席のゲットの仕方」―迷惑編でも書いたが、前から3番目くらいに割り込んでしまい、座ってしまう手だ。
「座れればいいや」と思う死に視線の人が多い、柱の陰からすっと前から3番目付近に割り込んでしまう狙う禁じ手なで、私は上野でやった事があったが、松戸で女性がこの禁じ手を実行したのは初めて見た。離れてみていると案外目立つなあと観察してしまった。
結構神経の図太い人なのかもしれない。

ただ、2016年の夏、松戸始発を待っていた時に、イストリッチさんはちょうど私よりも前に立っていたが、非常に暑い日であった為、貧血か立ち眩みか分からないが、イストリッチさんがいきなり前につんのめって危うく線路の方に落ちそうになったことがあった。あの時ばかりは危ないと思った。隣のおばちゃんが大丈夫と肩にてをかけた。イストリッチさんはそれに何も答えず、元の位置に戻り始発電車に乗り込んだ。イストリッチさんは図太いだけじゃなくて、愛想も無い人なのだなあ・・・と思ったが、電車の中では恥ずかしかったのか、いつもかけないサングラスをして顔を隠していた。
新聞も読んでいなかった。恥じらいはあったらしい。

32 座席虎夫(ざせきとらお)さん

座席虎夫(ざせきとらお)さん
8時36分松戸始発霞ヶ関行きを待っていると、背後に不快な吐息を感じた。
座席ゲット念力は非常に強い。多分、落ち着かないナリフリ系人物に違いない。
さりげなく振り向くと年齢にして50代後半、万年係長風、目がグリっとして、黒縁眼鏡、落ちぶれ悪代官風、安い1000円床屋の刈り上げ頭、背広からナフタリン系の臭いのする、窓際系で冴えない中年のおじさん、座席虎夫(ざせきとらお)さんであった(←勝手に命名)。
私が中央列の前から三番目。座席虎夫さんは真後ろの四番目。彼にも十分チャンスはある。
最近、ナリフリカメゾウをすっかり見かけない為、8時36分松戸市発霞ヶ関行きは平穏な日々が続いていたが、同時に注目すべき人物も少なく寂しい思いをしていた。
列車がホームに滑り込み、扉が開き、いつもの様に乗り込み始めた。
私の直前の二人が右に一人、左に一人流れていった。、私の位置は前から三番目なので特に心配はしない。悠々座るつもりで、左側正面七人掛けのシートに向かった。
座席を目の前に射止めたその瞬間、私の背後にいた座席虎夫さんの顔が僅か30センチ程度の距離にある事を知った。虎夫さんも同じ席を狙っていたらしい。全く油断ならない。
近くに寄られるだけでも不快なのに、前から三番目なんていう恵まれた位置に立っていた私が、もしも席を取られたら・・・と考えるだけでも身の毛がよだつ。
私は驚愕し、クレヨンしんちゃんの如くお尻をクイックとひねり一瞬先に席を奪う。と同時にそのベンチ・シートは全て埋まった。ぎりぎりだった。座席虎夫さんは即座に諦め、対面のベンチシートに向かった。周りの人を振り払い、正面七席の内、中央に開いた座席に無理矢理座った。あまりの品の無い座席ゲットにさぞ、周りの人のひんしゅくを買ったに違いない。まさにナリフリカメゾウ再来かもしれない。
座席虎夫さんとはそれから度々同じ列に鉢合わせになる事があった。何故か狙う席がかち合う。肘と肘が小競り合いになると非常に不快感を感じるんだな・・・
最近、Oさんを見かけないと思いメールをしたら、どうやら彼は8時21分松戸始発明治神宮行きに変えたらしい。どうやら震災以降8:36発は遅れがちで遅刻になってしまう事が原因だという事だった。私もOさんに合わせ8時21分始発にして以降、座席虎夫さんとも会わなくなってしまった。

31 ミスターお願いします - 松戸編


東日本大震災以降、電車が遅れることが多かった。
その為、15分ほど早い松戸駅始発8時21分発明治神宮前行きに乗車するようになった。

毎日同じタイプの車両が配車されるのかと思っていたが、そうでもないらしい。基本的には車両の両端が三席ベンチの他は七席のベンチシートという事に変わりはないが、最近ステンレスのポールで七席ベンチを二席、三席、二席に区切られているタイプをよく見かけるようになった。
今までの仕切りの無いベンチシートでは冬で厚着の人が多い場合や体の大きい男性が占めると六人までしか座れないケースが多かったが、ポールで仕切られていると効率よく七人座れる。若干幅が長いからだと思う。

最近、亀有駅から乗車、西日暮里で下車する
ミスター”お願いします”をよく見かける。
ミスター”お願いします”は六人しか座っていない七人席ベンチの中央にターゲットを絞り「お願いします、お願いします」と言いながら”もう少し開けて!”と云わんばかりに、若干の残された隙間をこじ開けさせ、強引に座る事を常としている。
大抵の人は
「お願いします、お願いします」と言われると、一人分座れるようにしてあげる。寝たふりなのか、全く無反応の人の場合、ミスター”お願いします”
「お願いします、お願いします」、
「お願いします、お願いします」

と何度も何度も繰り返すが、埒があかないとあっさり諦め、次のベンチに向かい
「お願いします、お願いします」を始める。

先日は無反応の人が多かったせいか、混雑する電車の中を右から左へと器用に移動する
ミスター”お願いします”の姿があった。

ある日、私の隣の隣に
”ミスターお願いします”がまんまと座った。やはり男性だけにきつくて仕方ない。腕が絞られてしまい、体を正面に向ける事が出来ず、やや斜めに向けざるを得なくなる。とは云ってもこの状況に身を任せるしかない。

ところが、
ミスター”お願いします”は座席に座ると一転して横柄な感じになり、手に持っていたジュースのペットボトルを飲み始め、最後は自分の座席の下に捨てて、西日暮里駅で下車してしまう。ちょっとマナーの悪い人だったりする。
彼の幼いしゃべり方や動作が一見して、何かを暗示させ、親切にしなければ、席を譲らねばいけないという気持ちにさせられる。ところが座ってからのあの態度を見せられると、これで良かったのか?という後悔に似た思いを持ってしまうのは何故だろうか?

先日、先述したポールで仕切られた七席ベンチシートの車両の日があり、七人席にきっちり七人座っていた。亀有に到着し
ミスター”お願いします”がいつもの様に乗車してきた。ところが何処も、きっちり7人ずつ座っていた為、ミスター”お願いします”はとても残念そうに満員の車両お中をすごすごと、然し、たくましく次の車両に向かっていったのを見た。