表の家

飲み屋あれこれ松戸は楽しい31-35


35 松戸のブルースリーと会った〜ぜぇ!

飲み屋あれこれ松戸は楽しいにおいて「バー・クリームと謎の映画Matsudo Wars」について書いた。
是非いつかあの素晴らしいアマチュア映画「Matsudo Wars」の監督にお会いしたいと思いつつ、その後も立て続けにバー・クリームに通っていた。
ある日松戸イセタンに勤務するKちゃんと食事する機会に恵まれ、食後はバー・クリームのカウンターでカクテルと相成った。

Kちゃんはアメリカンレモネードを飲んでいた。洒落たのを知っているね!
アメリカンレモネードはグラスにビルドして作るカクテルの一つ。先ずタンブラーにレモンジュース、砂糖、ミネラルウオーターを加え氷を二つほど入れスティアしレモネードを作る。仕上げの氷を加え、そっと赤ワインをフロートさせる。下のレモネードの白さと上を覆う赤ワインの赤さのコンビネーションに魅了される素敵なカクテルだ。バーテンによって出来上がりも変わるようで、Kちゃんはそれを楽しんでいるようだった。

そこに二人連れの男性客が来店、カウンターの左端に座った。カウンターが賑やかになってきた頃合いに「実は……」とクリームのマスターがささやく。
「あの方はMatsudo Warsの監督さんですよ」
ええ?
監督はもっと神経質な人だと思い込んでいたが、浅黒く少々ワイルドにして和製ブルースリー張りのハンサムボーイであり、ちょっと意外な感じがした。

話しをすれば監督は「表の家」の内容をよくご存じとの事で私としてもダブルで嬉しかった。
マスターが店内のモニターに「Matsudo Wars」を放映し、全員で鑑賞。
この映画はアマチュア作品らしい素朴さと随所に監督のこだわりがちりばめられ、その一つ一つがウイットに富んで、ついつい時間を忘れ観てしまう。
この映画の見所である体育館中におけるヌンチャク技は監督自らの演技によるもの。
BGMは「燃えよドラゴン」で監督の容姿は完全にブルースリーの演技と重なる。
ヌンチャク振る腕、我々も手に汗握る。監督はかなり格闘技が好きなのかもしれない。

監督がヌンチャクを落とすと敵方が何故か拾って渡す。ところがそれにも関わらず監督は拾ってくれた相手の頭にそのヌンチャクで一撃「ポカッ」。この場面は二箇所出てくる。このあたりが面白い。Kちゃんも楽しそうに観ている。どうやら格闘技が好きらしい。
この「Matsudo Wars」については一度書いたが、かなり秀逸で面白い。本心からエビ天に推薦したい。

映画が終わるといつのまにか一時過ぎだった。ここでKちゃんと私は「魔の巣」に移動。
暫く「魔の巣」で飲んでいると、アラアラアラ!
クリームのマスターと監督ご一行が「魔の巣」になだれ込んできた。
こんな事もあるのね。何て松戸は狭いんだろうか?!
これにより「魔の巣」はかなりの盛り上がりを見せた。
Kちゃんは先に帰宅。その後店内は楽しさの絶頂に達し、あっという間に午前二時半!
心ひかれる思いだったが、私も精算し、足元フラフラで松の木橋を渡り帰宅。
監督又、お会いしましょう!今日はとても嬉しかった。

34 居酒屋さゆき(樋野口)

さゆきのファサード
随分長いこと松戸では飲んでいたが、樋野口にあった「居酒屋さゆき」は知らなかった。旧水戸街道から根本天神、松竹園、割烹よしの等がある通りを北西に歩き、さらに樋野口の五色寿司及びミニストップの間の道を北西に歩き大六天神社の正面当たりに位置する。おばちゃま一人で切り盛りしている居酒屋だ。
某ショットバーで一杯傾けているとアミモノコさんから連絡が入り「居酒屋さゆきがそろそろ廃業してしまうので、飲みにおいで」という。行ったことのないお店は、ペンペン草としては好奇心をくすぐる。どんな店なのか一度行ってみたい。
店の前に着いた。
お店のファサードは全くの居酒屋なのだが、店内ではカラオケで賑やか、実に楽しそう。
さゆきの間取り
入口の引き戸を思いっきり開けてみたら、あらびっくり!入口上部にカラオケモニターがあるものだから、今唄っている人と面と面があってしまう。ものすごく恥ずかしくなり、ちょっと引いてしまう(上図参照)。中はちょっとした小上がりとカウンター席が在る店で中々賑わっていた。
左が入口のカラオケ本体とモニター        右はカウンター席
色々な置物飾り物で賑やかな小上がり
さゆきの気さくなママ
きさくなお店で料金も手頃で安い。歌も歌え気楽に立ち寄える庶民のお店だったが2009年2月いっぱいでお店は閉じた。二回しか行けなかったのが残念。アミモノコさんも行きつけのお店が一軒減ってしまい、実に残念そうであった。

33 ショットバー「クリーム」と幻のアマチュア映画「Matsudo Wars」

松戸駅西口前のアリタビル三階にショットバー「クリーム」がある。マツキヨ横のビル。
ここは見晴らしがよく開放的な気持ちで一杯飲むことが出来る。
オリーブとピクルスの盛り合わせを食べつつ、シメイのホワイトを飲む。気さくなマスターで他店とは一風変わったテーストでとても楽しい。
日暮商店主催の蔵元見学の後、見学者の一人A君(某劇団に所属)につい先日連れてきてもらった。
マザーグース常連のK氏こと「ラグビーさん」や建築設計として同業のF氏「オヒゲさん」が随分前から通っている店らしい。

ラグビーさんの母親と私の母親は知り合い同士。一昨年の我が父の葬儀にも参列していただいたり、ラグビーさんの経営する「鴻(オオドリ)」(神田神保町にあるレトロ居酒屋)にも度々立ち寄らせて頂いている。
クリームのマスターに伝え聞くところによれば、ラグビーさん曰く『え?表の家さんはクリームに来たこと無かったの?』と驚かれたのだとか……そうなんです。私知りませんでした。

先日、このクリームで飲んでいると某アパレル系ショップ店長のE子さんがふらっと現れた。
このお店で会うことは珍しい。こんな事もあるんだなあ。E子さんはおっとりしていて可愛い。
一緒に飲んで話も弾む。E子さんのお人柄だったらショップも繁盛しているだろうなあ〜(^^)

マスターが「表の家さんの喜びそうな映画がある」と店内の大きなモニターに映し出してくれた。
それは1980年代にマスターの友人が作成した「Matsudo Wars」と題するアマチュア映画。
まるでスターウオーズをもじったような題名であるが1時間17分の大作だった。

「Matsudo Wars」のあらすじ:ダニーと呼ばれる青年がある日殺害された人から手渡されたビートルズの「ヘルプ」のLPを受け取る。ところがそのLPを巡ってある悪党組織(帝国会)からダニーが狙われる事になる。次から次へと殺し屋が現れるが、このダニーの強いこと強いこと……そして最後の場面では!

出演者はみな素人だが数十人も出演している。
アマチュア映画なのにかなり面白く、ウイットがあり、途中で見飽きる事が無い。
ストリートファイターに登場するような人物も登場する。
その他ダース・ベイダーならぬギャース・レーダー、ビートルズならぬロートルズなど登場し笑える。

その昔TBS系で三宅裕司「えびぞり巨匠天国」(アシスタントの福島弓子アナは野球選手のイチローの奥様)というアマチュア映画を発表する番組があったが、是非この「えびぞり巨匠天国」に推薦したいくらいだ。
又、この映画で興味深いのは1980年代の松戸駅やモンダ書店、東洋ショー劇場などが出てくる事だった。キャプチャー画像でここにその一部を掲載したい。
デッキがなく、アーケードがあった頃の松戸駅西口ロータリ
モンダ書店(現在は八百七)
イセタン前にあった公衆電話ボックスから見ている。
右の奥の方に見えるのは日暮商店
何と、東洋ショー劇場(松戸駅東口の大宝ビル)、現ラブホテル「M」
もしこの映画を観たいという方は、先ずはショットバー「クリーム」に通い、顔見知りになってくださいな。そして頃合いを見計らった頃、マスターにそっと頼んでみてください。
混んでいない時間であれば、そっと観せてくれるかもしれない。
Matsudo Warsを観れば酒が進むこと請け合い。
E子さんとこの映画を観ていたらすっかり時間が経つのを忘れてしまった。
あっと言う間に午前様、あらあら、そろそろ帰らないと……

32 コガラちゃんとアミモ・ノコさん

私がたびたび顔を出す店にカフェバー「M(仮名)」がある。とても良いお店で公にしたくないので仮名を使わせていただく。
「M」には様々なお客さんが来るが、それらお客さんの中で印象的な二人の女性がいる。
小柄な新潟美人のAさん(以下、コガラちゃん)と色白美人で編み物大好き女性の地元松戸っ子のI子さん(以下、アミモ・ノコさん)だ。
コガラちゃんは朴訥として口数は少ないが、人への気遣いが細やかで思いやりのある性格。
私のホームページも時々読んで下さって、感想を言って下さった。とてもありがたい。
コガラちゃんはかなりお酒が好きらしく、メンバーと話題によっては随分遅くまで飲んでしまうらしい。
アミモ・ノコさんは「セーターを頼まれたから……」と言い、お酒を飲みながら嬉嬉として編んでいらっしゃる。
人の為に編み物をするくらいなので、マメで非常に献身的な優しい女性なのであろう。
アミモ・ノコさんは表面的にはとてもさっぱりとして、くよくよしない竹を割ったような印象があるが、実は話してみると人懐っこい可愛らしい性格をしている事が分かる。歌が好きで、飲んだ後はカラオケで〆たいらしい。
二人ともかなり良いお酒で「M」としても大切なお客様なのだろう。

先日「M」で飲んでいると、アミモ・ノコさんが現れ、後にコガラちゃんが現れた。
私「ここ一年半ほど、すぐ近くのスナック「S」に行ってなくてね。ママには色々とお世話になっているからさ、そのうち行かないと……と思っているんだ。でもついつちこちらの「M」に来てしまうんだよな〜」
マスター「久しぶりに行ってみたらいかがですか?」
アミモ・ノコさん「スナック「S」だったら、時々唄いに行くのよ、これから一緒に行きましょうよ。コガラちゃんも一緒に行きましょうよ」
コガラちゃんはまだ「S」には行った事がなく、一度行ってみたいと思っていたらしい。

私「う〜ん」
私はしばし、考えてしまった。一年半も通っていないと、敷居を跨ぐのがかなり億劫になっている。
でも行くのがイヤではない。
多分、誰かに背中をど〜んと勢いよく押してもらえば、行ってしまいそうである。
しかも二人女性が行きたがっているのだ。断る理由もなかろう。
この晩はアミモ・ノコさんに背中を立て続けに四、五回押されたようなものだ。

私は決心した。
私「よし、それでは「S」に行きますか?コガラさんも是非ご一緒にいかがですか?マスターも一緒にいかない?」

そう言った直後、アミモ・ノコさんはとても手際よく帰り支度をし始めた。
そして数十秒後には「S」に向かう態勢になっていた。
そのスピードの速い事速くない事……
コガラちゃん「私も良いんですか?」と遠慮している。
私「勿論ですよ、是非一緒に行きましょうよ」

コガラちゃんは「M」に来店して間もない、先程注文したカクテルがたくさん残っている。
でもそれを飲み終わったら「S」に来ると言う。
そうこなくちゃ……
マスターは流石に営業時間内なので来なかった。

「S」の扉を勢いよく開けた。
ママは相変わらず元気そうだった。
喜ばれたのは言うまでもないが、私がアミモ・ノコさんと一緒だった事が意外だったらしく、非常に驚いていた。
常連で顔見知りのH青年がベロンベロンになって飲んでいた。

カラオケを始めた。
果たして、アミモ・ノコさんは歌唱力があった。何といっても声量がある。
かなり圧倒される。オペラ歌手のようだった。腹式で歌っているのだろうか、立って唄う。それにしても上手だ。
私にはあんなにすごい声は出ない。
暫くして、コガラちゃんが「S」に現れた。
コガラちゃんが一曲、私が六曲歌った。アミモ・ノコさんが十曲目を唄っている最中に、突然警察官が現れた。

びっくりである。ママが慌てて、店外で対応する。
しかし、アミモ・ノコさんは歌を止めなかった。
ただ若干気勢を削がれたらしくて、カウンターの処によって静かに唄っている。
何が起きたのか分からないが、多分近所での検問か見回り程度だろうと思って、次の曲を選ぼうと思っていると、ママが戻ってきた。

ママ「実は警察官がもう店を閉めろって言うのよ。ごめんなさい」
私「え?どうして?」
ママ「近所から苦情があったらしいのよ。カラオケがうるさいって」

アミモ・ノコさんは即座に反応した。
アミモ・ノコさん「ショック〜、私が原因かしら?」
コガラちゃん「いえいえ、前にも同じようにライブハウスにクレームさえた事があったのよ。近くのマンションにちょっとしたクレーマーがいるらしいのよ。気にする必要はないわ。アミモ・ノコさんのせいじゃないわよ」
私「そうだよ。アミモ・ノコさんが原因の筈ないよ。でもそろそろ時間だし、帰るとするか」

気がついたら結構な時間になっていたので精算した。
アミモ・ノコさんとコガラちゃんは再び「M」に戻ったが、私は帰宅した。

31 Bar「魔の巣」 (2011年1月閉店、同3月ラ−メンBar痲乃巣としてオープン)

あの店が出来て今年は二年目だそうだ。
松の木橋の先にひっそりと佇む。最初はセシールのママに連れて行ってもらった。常連のH氏も一緒。
中に入ると手前左にカウンター右壁にはアンチークな映画ポスター、奥のネオンサインの先にテーブル席がある。
バイク好きで楽しいマスターが一人で切り盛りしている。
店内は暗く落ち着いていて70年代のオールディーポップスが流れる。
希望に添ったアルバムがあれば気軽に替えてくれる。
店名の怪しさから喪黒福造でも現れるような店だと勘違いしていたが、入ってみれば気さくな店。
常連はピアノ弾きのセンセーに小柄なA女史。この二人と会うと酒が進み大抵帰宅が午前様。
お店が出来た当時、度々利用した店。
ここのマスターはアホウドリやクリームのマスターとも交流があるらしい。
食事としては角煮カレーなるメニューがある。
ただ私は夜中、食べる方ではないので軽いスナック程度、ソーセージやスモーク盛り合わせを注文する。

他の店の某飲み友達とハシゴして最終的にこの店を利用していたが2007年秋口から私の体調不良(肝脂肪)の為、ご無沙汰していたが、実は今年になってから再び通い始めている。
常連のセンセーや小柄なA女史にお会いしたがとてもお元気そうだった。

「魔の巣」のホームページ: http://narumi.mods.jp/