表の家

自家醸造のお話 


4 自家醸造との出会い−4 
クリントン大統領・ゴア副大統領の情報スーパーハイウエイのおかげ


元々は軍事利用だったインターネット。1990年には商業利用がなされ、1993年頃にクリントン大統領及びゴア副大統領が情報スーパーハイウェイを提唱した。
このハイウェイ化によってインターネットが急速に一般に浸透していった。
まさにハイウェイである。私が数ヶ月かかっても出来ない事をニュースグループは二三日でやってのけたのだから……
1993年にイリノイ大学の学生だったマークアンドリューセン氏がNCSAと共同で開発したのが`モザイク`。
翌年にはネットスケープ社を作り秋にはネットスケープナビゲータを発表。

私がインターネットを始めた1995年当時、ニュースグループのカテゴリー数もインターネットプロバイダーの大切な選定基準だった。プロバイダーの会員募集には必ずニュースグループ数の記述があったものだ。
現在、ニュースグループ購読をプロバイダー単位で行っているところが一体何社あるだろうか?
ニュースグループの購読は今現在あまりポピュラーな存在ではないかもしれない。ただ、ネット上に有料でニュースグループの購読をさせる業者も存在するようだ。
インターネット=WWWの時代と言われ久しいが、WWWだけにとどまらずインターネットも多様化しそれぞれのプロトコルが融合変化してきたと思う。
SkypeやGoogleMapなど本当に便利な世の中になった。
改めて調べてみると、ニュースグループの記事は現在Googleグループで調べる事が出来るらしい。
実際検索してみると醸造に悩む人のディスカッションが相変わらず盛んである事が分かる。
ネット上の掲示板サービスである2CHは日本語版のニュースグループに当たるのかもしれないが……
むむ、酒の話をしているのかインターネットの話をしているのか良く分からなくなった……とほほ

3 自家醸造との出会い−3


そこで同僚に相談すると「ちょっと任せてくれ」と言う。数日後、彼はとんでもない方法で(と当時は感じた)調べ上げてくれた。
自家醸造用具販売のお店`little shop of hops`だった。ニューヨーク・マンハッタンに数軒ある。
調べた方法はインターネットの「ニュースグループ」だった。別名ネットニュース。インターネット上の掲示板プロトコルだ。
私には衝撃的な出来事だった。こんな素晴らしい情報の宝庫に家から一歩も出ずに電話線一本で利用することが出来るとは……

ニュースグループには様々なディスカッション・カテゴリーがある。例えば
rec.craft.winemaking
alt.beer.homebrewing

等である。
その中で自分のほしい情報に一番近いグループ名を探す。めぼしいグループを見つけたら先ず全体をざっと読んでみる。場合によってはそれで情報に当たるかもしれない。
無い場合は、その掲示板に質問・発言をする。多くの場合数日以内に誰かが返事をしてくれる。

これは大変な情報革命だと思った。2008年現在であれば当たり前の事でも、この話はインターネットがまだ日本の一般家庭に普及する前夜の頃である。
私は自家醸造について数ヶ月掛け足で調べてきたのに関わらず結局その情報に行き着けなかった。
ところがこの同僚は自宅のデスクに座ったまま、たった数日できっちり調べ上げて見せたのだ。

これはカルチャーショックだ!こんな素晴らしい情報ソースを自分のものにしない手はあるだろうか?
私がインターネットを始めた原動力はこれだった。

2 自家醸造との出会い−2

1994年頃だと思う。米国に建築見学の研修に行くことになった。行き先はニューヨークとオーランドだ。出発までには半年以上ある。

当時は細川政権下で、1994年4月に酒税法が改正になり、
地ビールが中小のメーカーで作りやすい土壌が整った頃だった。
日本にはBrew Pubなど無い時代でこれからというときだった。
自家醸造の器具は渋谷の東急ハンズで販売していたが、やはり本場米国で見てみたい。

私は某同僚に
「せっかくだからBrew Pubや自家醸造製品のお店でも探して行ってみませんか?」
同僚に反対意見などあるはずがない。早速、調査を開始した。

調査を開始したのは良いが困ったことが生じた。
自家醸造用具のお店どころかBrew Pubもどうやって調べて良いのか分からない。当然ながらガイドブックには掲載されていない。
その当時は現在のようにインターネットも普及してないので仕方なかった。
江古田で輸出入を生業にしている友人にどうやったら情報収集出来るか聞いた。
「丸善を始め洋書販売している書店で調べてみたら?」

そこで銀座の「イエナ」(近藤書店の3階、現在は閉店)に行った。
ついに自家醸造に関する洋書を見つけた。
巻末のショップリストをざーっと見ていくとカリフォルニア州に店が多いことを知ったが、ニューヨークやオーランドの情報は無い。ここで一度行きづまった。

すでに私は日本における自家醸造の本は何冊も読み終えていた頃なので、それらの著書の中で印象に残った穂積忠彦先生に一筆したためる事にした。穂積忠彦先生は元国税庁鑑定官。
幸運にも後日穂積忠彦先生からお返事をいただいた。
それはこんな主旨のお返事だった。

  ・アメリカで自家醸造が盛んなのはブドウも採れるカリフォルニア州
  ・ニューヨークではあまり盛んでないかもしれない。
  ・大手通販のシアーズでキットが販売されていると思う。
  ・ブドウジュースを販売するwelchでもそういうキットを販売しているらしい

とても親切な文体であった(穂積忠彦先生はその後故人となられた)。
そこで私はシアーズwelch、それぞれにletterを出した。
一ヶ月後、welchから返事があった。
「以前そういう製品は扱っていたが現在は販売していない」

二ヶ月後、シアーズの返事があり、シアーズも現在扱っていないという事が分かった。

私は途方に暮れた。
これじゃニューヨークに行っても目的の店には辿り着けない。
出発数ヶ月前にしてすでに諦めかけていた。

1 自家醸造との出会い−1


十数年前、外地に住んでいた頃、友人がビールの自家醸造に夢中になっていた。友人宅で一杯頂いてみたら殊の外新鮮で未経験な味だった。
アンバー系でにごりビールだった。
マイケルジャクソンという人物が著したベルギービールに関する本もこの時知った。

勿論、自分でもビール造りを試したくなった。然し、友人と同様ビールを作って友人よりも良いビールが出来るだろうか?
何か他のものは出来ないか?帰国した際、本屋に行ってみて何気なく手に取った本が「台所でつくるシャンパン風ドブロク(山田陽一著)」だった。
これは目から鱗であった。
当初はレシピ通りに作ろうとしてシャンパンの瓶を用意したり、絞ったりと大変な作業だったが、やってみたら非常に簡単なものである事が分かった。
慣れるとシャンパン風にせずに単なるどぶろくにした方が自分の好みに味になる事も分かった。かなりの試行錯誤のうちにだが……