表の家

飲み屋あれこれ松戸は楽しい41-45


45. 最近の松戸酒場情報


バー"ハンズ":2009年12月惜しまれつつ閉店したが、松戸本町のイタリアンレストラン"パストール"付近で2011年1月11日にBar”Aire(アエル)”という店名で蘇り、グランドオープンした。6人は入れるカウンターでハンズよりもゆったりした広さ。頑張って欲しい。
バー"魔の巣":2010年12月一旦現在の根本の店(セシール隣の店舗)をたたみ、女性会館"ゆう"隣、元ペットショップであった場所で新装開店するらしい。噂に寄れば1月21日前後らしい。ラーメンをメインにするのかバーをメインにするのかは未明。ただ、内装を見るとバーの雰囲気の為、今までのスタイルを踏襲したままの営業になると見られる。
紅ばら:随分長い間営業していた店だと思うが、2010年12月に残念ながら閉店してしまった。
洋風居酒屋"阿比留":2010年未明閉店してしまった。女将に聞くと現在他の物件を探しているとの事だった。気長に復帰をお待ちしよう。


44. お水なお話・・・その一


最近、酒に弱くなった。自宅にいるとなおさらで、チューハイ一杯で眠くなってしまう。外で飲む場合はもう少し飲めるが、それでも、22時頃になるとウトウトが始まる。
さて、ここ十数年、飲酒をした場所と言えば、地元松戸の飲み屋が9に対して、東京の勤務先付近が1で圧倒的に松戸で飲む回数が多い地元派である。それらは個人経営の居酒屋や料理屋が大半で、店主や常連客と会話しつつ飲食をする店が多い。
反対に、店主や常連客と会話が成立しないチェーン系居酒屋は足が向かない。
また、
バー、スナック、クラブ、キャバクラなど飲食よりも女性による接待がメインの店も足が向かなくなって久しい。その様な店には"夢"は無いと思うようになったのが一つの理由だが、もう一つは接待する女性の質である。質とは容姿ではなく"おつむ"の方を意味するが、要するにプロ意識のある人が激減したように感じる。ただ、20代の頃はそんな事は考えもせず"誰か連れ行ってくれないかなあ"などと思っていた。

学生の頃、飲酒する場所はせいぜい友達の家か、飲み放題の居酒屋程度だった。
静岡の友人が
「四谷にチェリーというスナックがあるけど飲みに行かないか?」と誘われ、スナックに行った事もあったが、スナックでさえそうそうは行ける店ではない事は自分自身良く分かっていた。

大学三年生の頃、同級生とコマ劇場付近の居酒屋で飲み終わり、"はしご"という事になり、次なる店をぶらぶらと歩きつつ物色する事にした。
正確な場所は忘れたが歌舞伎町の雑居ビルの外階段を下りていった地下一階にその店はあった。
友人達が
「ボトルいくらくらいなのか聞いて来て」というので、世間知らずの私は重厚で格調高そうな木目調の扉をそっと開け中を覗いた。
店の間口に対して横に細長い間取り、正面右側の壁に沿って約4メートル長のハイ・カウンターがありカウンター・チェアーが6脚以上並んでいる。そのカウンター・チェアーには4〜5人のきらびやかな衣装を着たホステス達が座り紫煙をくゆらせていた。正面左にはジュークボックスがあり、夜のムード音楽が流れその左で老紳士とホステスがダンスを踊っていた。お店全体の照明は暗く何とも言えない香りがしてくる。
開けるべきではない扉を開けた…?という後悔と新しい場所を知る好奇心の入り交じった何とも言えない心持ちのまま私は扉を開け声を掛けた。

私「すいませ〜ん。このお店のボトルはいくらですか?」
カウンタのホステスさん達の視線がキッと私に集まり、私は怯んだ。
一瞬なのに長く感じた間の後、ホステスの一人が諭す様に答えた。


ホステス「ここはね、坊やの来るような場所じゃないわよ」

私「はい、すいません」

私は素直に引き下がり、その店を後にした。
友人達と次なる店を探したが、結局良いお店が見つからず、帰宅した。
私は違う世界の扉或いは怖い店の扉を開けたのだ…と思っていたが、後日人に話すと
「それはプロの女性だよ。救われたね」と言う主旨の事を言われた。
本当に悪い店だったら、そんな我々でも引き込まれボッタクる事もあり得たと思うが、間髪を入れず
"子供相手の店じゃないのよ"と宣言する事で、そのお店は(彼女たちも含めて)しっかりとした棲み分けをしていた事になる。今から思えば案外良心的な店だったのかもしれない。ただ、"高いお店に行く、行かない"というのはたぶんに嗜好と経済力の問題でもある。親のすねかじりの学生の分際であなたは身の程知らずの店の扉を開けたのよと教えられたのかもしれない。
---続く---

43. ノグチ屋-松戸市本町


松戸本町に最近注目している店がある。それはノグチ屋。数ヶ月前に松戸飲み屋街に出現した新進気鋭の居酒屋で”綱ちゃん”、”たぬき”、”トモコ”等と軒を並べて営業をしている。
ファサードも料理も特徴がないのだが、何故かこのお店、輝く何かがあり、ついついひきよせられる。

例えば、二階の小さい座敷を客席として使用している点があげられる。”綱ちゃん”、”たぬき”、”トモコ”等ではまだこの取り組みはしていなかった。松戸飲み屋街へ来るお客さんで二階の座敷の存在を全く知らなかった人、或いは知っていても店主に憚って、見たくても見られない人も居たかもしれない。あのお店はそれが見られる。是非、二階で飲んでみてください。わくわくしますよ。

次に店主の空気感。
店主と話していると距離感が短く感じる。
酔っぱらってその日は終わり、現実に戻る。
しかしながら、一晩経つと、
「ああ、ノグチ屋に行きたいなあ」という気持ちになってしまう。店主は決して美男子とは言えないし、トークが特別上手という訳でもないが、何らかの人間的魅力があるのは確かだ。

いわば中央線沿線にある、学生が好みそうな居酒屋の乗りである。例えば三鷹や荻窪…そんな感覚に近いかもしれない。だからこそ敷居が低いのだ。私が独り者だったら、魂の抜け殻のようについふらふらふら〜と通ってしまいそうである。
最後に料理の安さであろう。アルコールは普通の値段だが、料理が100円台からあるのが嬉しい。飲んで食べて1100円なんて時もある。その為か、カウンターが連日満員でなかなか入れない。あの飲み代で、どれだけの利益があるのか、人様の台所事情を皮算用するのはあまりに空しいが、連日満員なら、そこそこ利益は出ている筈である。

一般的に、松戸という場所は飲食店にとって鬼門の様な場所らしい。つまり中々上客がつかないというのだ。従って、松戸で成功すればどの都市に行っても怖くない…そんな事を聞いた。私が知るいくつかの個人経営の居酒屋、料理屋には客の入りが少なくて瀕死の状態の所もある。
それを役所の責任、政治の責任と言い捨てるのは簡単だが、ノグチ屋を見ているとそんな居酒屋の経営に一縷の光明を見出す様に感じる。いかがですか?

42. スモールズ(2010年3月末閉店)−松戸市根本


旧水戸街道から松の木通りを歩き、坂川を渡ると”やきとりごんべい”を始めいくつかの飲み屋が入った長屋的木造建物がある。その中の一つがスモールズ。ジャズ・ライブハウスである。
お店の前には手作りの縁台と共にその横には洗濯機があり初めての場合は少々ひいてしまう(後に茶色の木箱に納めて置かれるようになった)。

茶色の箱に洗濯機が入っていた
洗濯機の木箱に付けてあった郵便受け
ニチニチ草の壁掛け植木鉢、可愛いセンス

中に入ると薄暗い中にアップライトピアノが鎮座し、様々なポスターがたくさん張ってあり雰囲気がある。エアコンもあったが、ドレイン(排水)がうまく配管されていないため、ブリキのトレイで受けていた。木賃アパート独特の構造故、音響は決して理想的ではなく、ミュージシャン泣かせのライブハウスだったんじゃないか?という気がした。ただ、誤解無き様、付け加えるが、スモールズは有名、無名に関わらず多くのミュージシャンを受け入れていた事もあり、皆ここで演奏出来た事を感謝し喜んでいたようである。

ここを運営していたのはOT君。彼は二十代の頃は某テレビ局系の会社で報道関係の仕事についていたが、三十歳を迎える頃思うところあり、会社を辞めた。そしてジャズ・ピアノを学び始め、海外に飛んだ。そして帰国。わずか四年の修行でライブハウスを開業、プロのジャズピアニストとして活動を始めた。
三十歳まではピアノなど弾いたことがなかったそうである。それが、たった四年でプロとして活動するという所は驚愕に値する。ある意味天才的なのかもしれない。
人からも慕われているようだし、OT君と話していると人間的な魅力を感じる。又、若干のカリスマ性もある。あのカリスマ性は将来彼を助けるに違いない。


営業は午後8時〜0時まで、お酒、つまみは持ち込み自由。ただし、演奏へのチャージは支払う。金額はミュージシャンやその人数によって違っていたようだ。例えば店主のOT君のピアノソロ或いはOT君+地元の知り合い程度の時は1000円/人、少々遠くからミュージシャンが来るときは1500円/人又は2000円/人だが、ファビオ・モルジェラなどの演奏の時は5000円/人であった。音楽の分からない私としては5000円/人となると腰が引けてしまうが、演奏後、店内はコミュニーションの場となりミュージシャンと触れあうことが出来る。その魅力は大きい。

ジャズレッスン(ピアノ、ヴォーカルなど)もあり、実際にレッスンを受けていた人も居たらしい。著書もあり『初めてのジャズ・ヴォーカル』『ジャズ・ベース・ガイドライン』などというオリジナルテキストも3990円で売っていたようだ。トーカ堂の北社長に売り込んでもらいたいなあ〜。

私は去年の春頃まで一度も入ったことが無かった。初めて私をこの店に誘ってくれたのはコガラちゃんである。コガラちゃんは支払い方やその他色々をよく知っていて、私に教えてくれた。

ジャズどころか音楽に関しては門外漢なので、彼の音楽性がどの程度のものなのか?プロとして食っていけるのか?さっぱり分からない。ただ、道草亭ペンペン草として興味をひいたのは、彼がネットワークを大切にしており、いつのまにか人脈を造り、しっかりと彼らを自分の側に引き寄せてしまっている様なところがあるからだ。

レイモンド・マクモーリンを迎え、松戸駅構内での演奏、ピアノは勿論OT君、ベースはK君、ドラムはS君 2009年8月30日

2009年ボージョレ・ワイン解禁の日に「ボージョレがあるから」とお呼ばれた。
誘われたのはコガラちゃんであったが、私もご相伴にあずかることにした。店内にはすでに女性グループの先客が居た。冷蔵庫付近を見ると樽詰めされたボジョレーワインが置いてあった。一斗弱は入っていたと思う。常連のお客さんが寄付したものらしい。OT君の人徳なのかもしれない。OT君は手作りのピクルスをボールにたくさん用意していた。ブーケガルニを使った少々凝ったピクルスである。又、市川で買ってきたというよつ葉バターとバゲット。私はこの日、手土産にパルメジャンレジャーノチーズをブロックで持って行った。OT君は喜んでくれた。

フィナーレの盛況ぶり 2010年3月27日

スモールズの最終日(2010年3月27日)、多くのミュージシャンが来ていた。彼等は入れ替わり立ち替わり演奏し、OT君の次なる人生への門出を祝っていた。

彼は松戸から旅立ち、現在は東京に住んでいるようだ。
ジャズミュージシャンとしての今後の活躍を期待したい。
何か始めたら会いに行きたいなぁ〜!

(スモールズは2010年3月27日を最後の営業日として閉店)

41. 次男房−本町&松戸 (2011年8月4日根本店から本町店へ移転オープン)

気になってはいたが入ったことは無かった。松戸市立北部小学校裏手を、古ヶ崎浄水場方面へ少し歩いた所。宝屋スーパーと寿司久の先にスナック`カレン`なる店があったが、何年もの間、営業しないまま暫く放置されており、気がつくといつの間にか`カレン`が無くなり、飲食店らしきが出来ていることを昨年末に知った。
これが`次男房`。住所は松戸市根本235-3。

ある日コガラちゃんとI女史と某ウエディング・イベントの件で松戸駅東口の料理屋`T`で盃を傾けていた。
I女史は松戸市で活発にボランティア活動を行い、市民劇団団長で、観光大使でもあり、とにかくありとあらゆる方面で多才な方である。このI女史は名実共に松戸に明るい人であり、昔日の松戸話を聞いていると私も嬉しくなる。会話の中でふと`次男房`の話が出た。良い店なのだという。近々行ってみようか…と考えていると「次男房の姉妹店、スタンドバー次男房が駅そばに出来たから行かない?」と誘われた。`T`を出て3分も歩くとその店にたどり着いた。促されるまま、店内に入ると、客が四人も居ればいっぱいになってしまうほど小さな空間であった。居心地は悪くはない。他の客と譲り合わないと飲めない物理的サイズであるがゆえ、客同士で会話が生まれる。従って一人でぶらっと入っても多分、楽しいと思う。

私は好んでこういった個人営業店で飲む。個人営業店は店主や他の個人客とのコミュニケーションが容易に生まれやすい。私自身、単独或いはせいぜい二人で飲む事が多いからかもしれないが、個人営業店は独特の世界観が生まれ退屈しない。大手のチェーン居酒屋ではこういったロマネスクな気持ちを求めようにも中々叶う物ではない。


さて、ある日古ヶ崎浄水場付近にあるE美容室を出た後、ちょうど夕飯時だった事もあり次男房本店に訪れる事にした。単なる居酒屋だと思っていたが、それは大いなる思い過ごしであった。メニューを見るとちょっとしたディナーバーと言った感じで、住宅街の隠れ家であり、落ち着いて、どちらかと言うと女性客やカップルに受ける店かもしれない(勿論男性客にも良い店だと思う)。
メニューも魅力的で、あれもこれもと注文したくなる。店主はまだ三十代だろうか?若く、はきはきし快活だ。
店主によればパナシェのマスターが訪れる事があるらしい。学校の先輩後輩だとか…何処でどう繋がっているか分からないものだなあ…
そういえばトイレに入ると極真空手のポスターが貼ってあった。
この日はスパークリングワインを一本飲みつつ食べたが料理も申し分ない。とても良い店だと思う。
繁華街とは言えない、単なる住宅街に変わりつつある`竹の根商店街`の一角にあり(率直に申し上げれば、`竹の根商店街`は嘗ての活気がもう一つの商店街だが)若い彼が頑張ってこの次男房本店を切り盛りしている。
新松戸の田島亭も同様だが、松戸市において、若手が一生懸命に頑張っている店を心から応援したい。
追加情報:2008年以降、根本で3年間営業してきた次男房は、本年2011年8月4日松戸本町に移転し新たにスタートする事になった。オープンの日は満員御礼といった感じであったよ。写真は松戸本町の新店舗。

Kitchen&Bar次男房    千葉県松戸市本町21‐9 田村ビル1F
STANDING BAR 次男房  千葉県松戸市松戸1230 ピアザ松戸1F